冒険の旅:Lethe編(3)
こっちはネタバレ全開です。しかしこのペースじゃ遅すぎるかな。まだBalmoraに着いてないし。どこかで大きく道中をはしょって書くかもしれません。 ちなみに Letheのゲームプレイ時には会話強化プラグインのほかに、 Real Signpost、Wizard's Hat、自作の家プラグイン、Cloak of Mykulを入れています。ゲームバランスを変更するものは一切使っていません。プラグインの解説は こちら から。他のキャラクターの名前がアルファベット表記であることに従い、Letheも同じように記します。ちなみに この名前 Ultima Underworldに出てくるキャラクター(やられ役、死んで怨霊となった王の愛人で同じく怨霊と化す)からの命名です。
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Balmoraに近づいているはずだが、思いのほか遠い。歩いている最中に日が落ち、夜になってしまった。星も月も、長らく自由にじっくり見ていない。たいまつに火をともすのを少しだけ遅らせて、空に瞬く光を楽しんだ。さて行こうか。何が待ち受けているのかもわからない、知らない街へ。
なんとか日の出前にBalmoraに着くことができた。Seyda Neen、Pelagiadとは違う石造りの家に驚いた。さらに、その質素な印象を受ける家々の数にも驚いた。
夜だというのに、外にはたくさんの人がいた。最初に出会った町人はオークだった。この種族には始めて出会ったような気がする。今までの街にいた帝国兵は一人もおらず、顔の全く見えない兜で武装した違う兵がたくさんいた。話を聞いたところ、ここは帝国ではなく、House Hlaalu というDunmer の有力な一家の治める街なのだそうだ。帝国だって どんなものかわかったものではないが、この Houseとやらもなんだか胡散臭い気がしてならない。人が集まって力を持つと、たいがいろくなことがないだろう。
さて、Balmoraには着いたがこれからどうしようか。役人から渡された、読んでよいといわれた方の手紙を開く。South Wall と呼ばれるところに行ってあとは聞け、か。乱暴な案内だこと。
道行く人に大体の場所を聞き、South Wallに向かった。途中の酒場に寄ったところ、突然口げんかをしていた客が殴り合いを始めたのでこれには少し動転した。あわてて霊を一体召喚したが、彼らは互いの敵を痛めつけるのに夢中になっているだけで、特にこちらには被害はなかった。他の客は全くの無関心でけんかを止めに入る様子もない。ごろつき、いさかい、過剰な武装の兵。ここは平和な街ではなさそうだ。
South Wall cornerclubで、これからわたしが出会うことになる Caius Cosadesについて一人一人に尋ねてみた。なるほど、一見労働者階級が集まる酒場だが、ここは盗賊ギルドのアジトも兼ねているらしい。のんきに構えているようで、隙がない。目つきが鋭い。一般人が知っている以上の情報をいち早く手に入れているような連中ばかりがいる。Caiusの住む家の場所はすぐにわかった。
猫によく似た種族 Khajiitの女、Sugar-Lips Habasi は盗賊ギルドに入らないかとわたしに持ちかけてきた。あいにく、わたしは余り器用な方とは思えない。やんわりと断った。Habasi が麻薬を常用しているらしいことも気になった。Sugar−Lips(口にお粉がついてるよ)の名は伊達ではないだろう。麻薬は判断力と知性を蝕む。将来的には体とその命さえも。彼女自身は Moon sugar に耐性があるKhajiit だから平気かもしれないが、普通のBreton であるわたしにも自分と同じ調子で薬を勧めてきたりしたらたまらない。
そういえば HabashiはCaiusのことを、sugar-toothといっていた。口どころでなく、歯にも骨にも Sugarがしみこんでいることを連想させるその呼び名に、空寒いものを感じた。「Khajiitでもないくせに、あの爺さん、山のようにsugarを口にしても ふらつきもしないんだよ。ありゃ相当やられてるね」とHabasiは言った。また、他の者は、「よぼよぼジジイにしかみえねえかもしれないが、Caiusには気をつけな。本人も得体の知れねえやつだが、持ってるコネも怖いね。あいつを怒らせた奴の顔はその後見てないからな」 とも語った。
わたしが出会おうとしている Caiusと言う男は、とんでもない人物のようだ。煮て食われるか、焼いて食われるか。でもそれが何だというのだろう。閉じ込められてのたれ死ぬのと、何が違うだろう。もう飲まない、と思っていた酒を少し口にして、わたしは頭がぐらぐらし始めていた。やっぱりもう飲まない。今度こそ絶対に飲むもんか。わたしはよたよたと出口に向かって歩き始めた。背後から盗賊どもの野次が聞こえたような気がする。Caiusに会いに行くなんて物好きだな姉ちゃん、そんなような言葉だった。そうだ。わたしは物好きだ。
Caiusの家にはすぐ着いた。扉は思ったより軽く、ちょっと押すと壁に当たるまで全開し、恐ろしい音を立てた。衝撃で少しふらつく。だが、この音のおかげで、少しだけ正気を取り戻した気がする。
「君かね。Graviusから文を預かってきたというのは」
声のする方向に顔を向けて、わたしは絶句した。酔いは完全に抜けていった。何だ。この、裸の、見るからに怪しげな、おかしい老人は!?
予想だにしなかった風貌の男が立っていた。彼はわたしの想像していたどのCaius像とも違った。話し方は温和で、知性を感じさせる。しかし、上半身に何も身につけていないのはきちがい沙汰だ。Balmoraは決して暖かい気候ではない。うわさどおり、薬が骨までしみこんでしまっているのだろうか。
目を白黒させつつ、ロウで封のされた親書を渡す。Caiusはじっと親書を読んでいた。黙って立って、彼が読み終えるのを待っているうちに、うろたえていた気持ちはおさまってきた。彼は静かに、まじめに読み続けている。あの偉そうでお硬そうなGraviusとか言うお役人は、ずいぶん大事な手紙をわたしに持たせたものと見える。手紙を捨てていたら大変なことになったのかもしれないな、と適当なことを考えながら、ぶらぶらと立っていた。すると、手紙のある箇所で彼の目は止まった。人のいい老人風の顔つきが、一瞬非常に険しくなった。
「そうか・・・・・・ ではLetheよ。私は君を皇帝に仕える直属諜報組織、the Bladesのメンバーとして迎えねばならない」