冒険の旅:Lethe編(2)
こっちはネタバレ全開です。なお Letheは無感動で協調性や共感といった気持ちの薄い、おもしろみのないさめたキャラクターとして書いています。長年軟禁されてて陽気なわけない。また 若々しい娘らしいロールプレイなぞ気持ち悪くてできません。
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北へ向かった。不慣れな旅で、どうなることかと思ったが、道しるべが思いのほかわかりやすかったのだ。徒歩で旅をするものが多いのだろう。地図を見るに、わたしは確実に正しい方向へ向かっているようだった。
途中、砦に守られた町が見えてきたので立ち寄った。Pelagiadというのだそうだ。Seyda Neenより人が多い。衛兵の数も多く、うろうろしていると疑うような視線を投げてきた。この世界は「帝国」の一部になりかけているところで、帝国の支配と守りが及ぶところにはこの砦があるのだという。砦の中に入ってみた。牢があった。牢に閉じ込められていた、自分の過去を思い出し苦い気持ちになった。
急に疲れてきた。ずっと歩き通しだったのだから無理もない。休息が必要だろう。住人に尋ねると、Halfway Tavernに泊まるといい、と助言をくれた。小さな町のたった一つの宿はすぐに見つかった。1階は酒場になっており、にぎやかだ。酒を口にしてみた。苦くて舌を指すような味がした。わたしはたぶん、もう酒を飲むことはないだろう。
ベッドは簡素なものだったが、今までの寝床よりはずっとよかった。枕とシーツに体重を預け、眠りについた。明日はもう一度砦に行ってみよう。
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砦の中には店があった。この設備は帝国軍と、帝国教団によって運営されていると説明を受けた。
ヒーラーを勤めているYgfaという女性は、わたしの貧しさを見てとって、わずらわしいほど親切な態度を見せた。わたしのローブは新品だが粗末だし、下に着ている服はぼろ同然だ。乞食と思われたのかもしれない。彼女は国教団への入会を勧めて来た。九柱の神を信じ、弱きものを助ける自愛に満ちた人々の集まりだという。
少し考えてから「入会します」と答え、教団の小冊子を受け取った。別に神々を信じているわけではない。一見平和そうなこの世界にも貧しいもの、虐げられているものがそんなにいるのだろうか。いるなら見てみたい。同情よりも下世話な好奇心が先にたった。教団のことをよく知り、さらに教団のために働きたいならEbonheartに行くといいとYgfaは教えてくれた。地図を見ると、Balmoraとは反対方向だ。行くのは後だ。
Pelagiadの町には商店がそろっており、売られているものすべてが目新しい。ある店で、上等な服を一そろい買った。教団の入会費と宿代、そしてこの服で持ち金はほとんどなくなってしまった。だがかまわない。一度は解放されても、この先何があるかわかったものではない。今を好きなように楽しむことにした。初めての新しい服。すべるような肌触り、柔らかい着心地。なんだか心がおどった。
古いぼろ雑巾のような着物はその辺に捨てた。これで「乞食だと思われたくなければもっとまともな格好をしろ」などと言われなくなるだろう。この島の人間は、見知らぬものに対して無遠慮だ。かつてわたしがいたところのように。
砦の衛兵詰め所に、小さな鍵が置かれていた。とても気になった。柱の陰に隠れて、衛兵が巡回に出かけるのを待って さっと鍵を拾い上げた。
あちこち試してみた結果、見張りの塔の扉に鍵がぴったり合った。高い塔の上から町並みを眺めた。こんな高いところから世界を見るのは初めてだ。
世界は 広い。まるで果てのないようだ。こんな広い世界で、わたしは何をすればいいのだろう。Balmoraでわたしを待っているものは何だろう。解放された実感はまだわかない。
Pelagiadを後にして、さらに北に進むと道端に娘がたたずんでいた。やや大柄だが、目鼻立ちが整っていて美しい。ぜいたくなドレスに身を包み、瞳は輝き、頬は熱に浮かされたように上気している。
盗人にあったのだという。優しい強盗に。暴力を振るわず、甘い言葉で語りかけ、宝石と一緒に心を奪われたのだと。泥棒に恋をするとは奇特な娘だ。娘は右の手袋をよこし、もしその男に出会ったらこれを渡して欲しいと頼んできた。Balmoraに行き何事もなければまたSeyda Neenまで戻って海を見るつもりだった。いつになるかはわからないがそのときに渡そうと約束した。この娘は愚かだ。でもとても幸せそうだ。